■科の構成

教授/1名  准教授/1名  講師/3名  助教/8名  臨床助手/4名  大学院/1名

■出向先・関連病院

東海大学医学部付属八王子病院 (教授1名、准教授1名、助教3名)
東海大学医学部付属大磯病院(准教授1名、助教3名)

■認定医/専門医、指導医の数(出向先・関連病院等も含めた合計)

日本内科学会認定医
日本内科学会専門医
日本内科学会指導医
日本消化器学会専門医
日本消化器学会指導医
19 名
13 名
  6 名
  1 名
  1 名
日本循環器学会専門医
日本感染症学会専門医
日本感染症学会指導医
日本血液学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会専門医・指導医
  1 名
  2 名
  1 名
  2 名
  1 名

■メインスタッフ

高木 敦司
(たかぎ あつし)
教授
内科学系長
日本内科学会専門医・指導医
日本消化器学会専門医・指導医
日本内視鏡学会専門医・指導医
日本プライマリ・ケア学会認定医
小澤 秀樹
(おざわ ひでき)
准教授
診療科長
日本内科学会専門医・指導医
日本循環器学会専門医・指導医
日本プライマリ・ケア学会認定医
柳 秀高
(やなぎ ひでたか)
講師 日本内科学会専門医・指導医
日本感染症学会専門医・指導医
日本プライマリ・ケア学会認定医
国際渡航学会認定医、米国内科学会上級会員
沖 将行
(おき まさゆき)
講師 日本内科学会専門医・指導医
日本血液学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
日本プライマリ・ケア学会認定医
伊藤 正仁
(いとう まさひと)
講師 日本内科学会総合内科専門医

■診療体制

 当院総合内科では内科医としてどの臓器の問題でも初療に当たれるような幅の広さと、自分の得意分野を掘り下げる深さを目指して日々診療にあたっています。
 診療する疾患は一般感染症、HIV、不明熱、循環器疾患、呼吸器疾患、内分泌疾患、自己免疫疾患、腫瘍性疾患、消化器疾患、神経疾患、血液疾患など実に多岐に渡ります。特に他科、他院で診断のつかない不明熱や、単一の診療科で診療にあたるのが困難な多臓器不全などを担当することも多く、総合内科医の醍醐味を味わえます。
 部門として、病棟は(1)総合内科病棟チーム、(2)総合内科ICUチーム、(3)感染症コンサルトチームの3つに大きく別れています。

(1)総合内科病棟チーム

一般的な内科疾患(肺炎、尿路感染、蜂窩織炎、心不全、喘息、肺塞栓、深部静脈血栓症、電解質異常、副腎不全、、、など)をエビデンスや病態生理に基いて診療します。さらに、原因不明の発熱、呼吸困難、浮腫、意識障害など、他科や他院で診断がつかないような症例のコンサルトを受けます。三次医療施設であるため、感染性心内膜炎やHIV症例も比較的多数経験でき、またマラリア、デング熱、腸チフスなど渡航者感染症も時に診療することができます。指導医2人、後期研修医1-2人、初期研修医2人の計5-6人程度がチームを構成して屋根瓦式に診療に当たります。

(2)総合内科ICUチーム

内科系重症疾患はどのような分野の疾患であっても担当する可能性があります。中心となるのは敗血症性ショックのケースで、肺炎、尿路感染、壊死性軟部組織感染症、中枢神経系、胆道系などSourceは全身のいずれでも当科に入院となります。Volume Resuscitation や血管収縮薬、強心薬などによる循環管理、人工呼吸管理、栄養・電解質管理等一般的なクリティカルケアのマネジメントとともに抗菌薬のEmpiric therapyの考え方を学びます。また壊死性筋膜炎であれば形成外科、胆管炎であれば消化器科、複雑性尿路感染症であれば泌尿器科にSource controlを依頼するなど院内各専門科との連携を行っています。重症呼吸不全を伴う肺炎では循環器科との連携でECMOによる治療も行っており、その他重症電解質異常、糖尿病性ケトアシドーシス、間質性肺炎、急性膵炎などの疾患も経験し、学ぶ事ができます。指導医3-4人、後期研修医2-3人、初期研修医3-5人程度の陣容で診療に当たります。

(3)感染症コンサルトチーム

一般感染症のEmpiric therapy(推測治療)からSpecific therapy(特異的治療)までの相談にのったり、HIV/マラリア/結核/多剤耐性菌に関するコンサルテーションを受けたりしています。De-escalationや抗菌薬の投与期間の適正化、副作用発現時の代替薬の提案など、様々な科からの要請に応えています。

 外来診療は一般内科外来に加えて感染症外来(主に骨髄炎フォローアップなど)、HIV外来、渡航ワクチン外来などを行っています。一般内科外来では急性上気道炎、肺炎、尿路感染、蜂窩織炎、喘息、COPD、甲状腺機能異常、一次性頭痛、心房細動などのcommon diseaseを診療するとともに、不明熱、電解質異常などのコンサルテーションも受けています。初期研修医は主に夜間の救急外来で初療に当たり、後期研修医は日中の外来を週1回担当します。いずれも指導医に相談しながら診療に当たっています。
 感染症外来、HIV外来では専門医が診療に当たっていますが、希望者は指導医と共に診療に当たることもできます。HIV診療ではエイズ診療拠点病院であり、神奈川県西部の中心的医療施設となっています。渡航ワクチン外来では渡航前外来で、ワクチン接種のみでなく、防蚊対策、マラリア予防、旅行者下痢症対策、食事指導なども行います。これも希望者は診療に加わることができます。

■教育体制

初期研修医

  • ●各チームでの屋根瓦式診療でOn the job トレーニングを行います。
  • ●昼食を取りながら週1回のランチョンセミナーを行っています。発熱、ショック、呼吸不全、乏尿などの当直でよく遭遇する問題に関して指導医がレクチャーします。
  • ●毎朝のモーニングカンファレンスでは、前日の当直帯で緊急入院したケースのプレゼ ンテーションを当直で担当した研修医が行い、フィードバックを受けます。
  • ●毎週1回のケースカンファレンスではフォーマルなプレゼンテーションを行います。
  • ●当直帯では内科救急の初療に当たります。上級医に相談しながら診療を行います。
  • ●内科学会地方会での発表を行うことを推奨しています。

後期研修医

  • ●各チームで屋根瓦式のトレーニングを行い、指導医から指導を受けるとともに初期研 修医の教育に当たり、チームの中核を担います。
  • ●今年度から家庭医療育成後期研修プログラムを選択した場合には、総合内科一般 病棟チーム、内科集中治療チーム、感染症コンサルトチームに加え、小児科、皮膚科、救急、精神科、整形外科などの研修、さらに亀田ファミリークリニック館山(岡田唯男先生)やその関連施設での研修も組み込むことが可能です。
  • ●週1回のケースカンファレンスでは初期研修医がプレゼンテーションしたケースのトピックについて最新文献を参考にレクチャーを行います。
  • ●内科救急当直では初期研修医の指導を行いつつ、指導医からのアドバイスを受け、中心的な役割を果たします。
  • ●週1回の定期一般内科外来を担当し、指導医の指導を受けながら外来診療の経験を積むことができます。
  • ●総合内科スタッフ向けに行っている朝のMKSAP(米国内科専門医問題集)勉強会、夕方のNEJM抄読会に参加することができます。
  • ●内科学会、病院総合診療学会などでの発表を推奨しています。

家庭医療 後期研修プログラム

 大学病院スタッフとしてトレーニングを受けながら、地域医療や在宅診療の専門医になることができるのが、東海大学家庭医療後期研修プログラムです。このプログラムは3年間の間に、基幹病院の総合内科、小児科、救命救急センター、地域のクリニックにおける在宅診療などを研修し、日本プライマリーケア連合学会の家庭医療専門医を修得するコースです。鉄蕉会・亀田ファミリークリニック館山の岡田唯男先生のご協力をいただき設立しました。プログラム初年度は東海大学総合内科を中心に外来診療やホスピタリストとして、コモンディジーズから重症疾患まで研修します。また、領域別研修の救急では、神奈川県西部地区の唯一の高度救命センターで研修することにより、幅広い領域の軽症から重症までの救急患者の診療を経験できます。プログラム2年目または3年目の家庭医療専門研修では、1年間亀田ファミリークリニック館山か系列の鉄蕉会森の里病院(神奈川県厚木市)で研修します。大学病院の総合内科では多様な専門性の高い疾患群を経験しながらキャリアパスを重ね、家庭医療専門研修では、家庭医の研修施設としては、既に実績のある施設で研修することができ、今年度より3名の専攻医が参加しています。

■研究体制

 総合内科は新しい科であり、診療、教育を主に行ってきました。しかし、日々の診療で経験する様々なケースでの疑問点を掘り下げケースレポートを行ったり、臨床疫学的手法を用いた研究を行ったりしています。
 内科の分野では日本内科学会総会/地方会、病院総合診療学会、プライマリ・ケア学会、米国内科学会日本支部などで発表しています。また、近隣の病院で行われている大船総合内科カンファレンスという教育的症例についての研究会でも発表して、関東近県から集まる総合内科医との議論を通じて診断技術向上をはかっています。当科研修により内科学会総合内科専門医、米国内科学会上級会員(FACP)などを取得することが可能です。
 感染症の分野では日本感染症学会、米国感染症学会、欧州感染症学会などで活動しています。最近ではインフルエンザ、レジオネラ、肺炎球菌性肺炎、腹膜透析患者の腹膜炎などに関する臨床疫学的研究を発表しています。また、IDATEN(日本感染症教育研究会)での発表を行っています。当施設は日本感染症学会研修指定施設であり、日本感染症学会専門医資格を取得することが可能です。また、提携している米国Wake Forest大学感染症科のDr. Ohlによる教育回診も経験することが出来ます。
 今後、黄色ブドウ球菌菌血症、感染性心内膜炎の臨床疫学的研究、抗菌薬適正使用における感染症コンサルテーションの役割などのテーマでの研究を予定しています。

■将来展望

 現在の医学では、高度に専門分化した臓器別内科とともに総合内科部門は車の両輪として欠かせない存在になっています。複数の臓器に問題を抱える高齢者や多臓器不全の重症ケースなどは総合内科医の活躍するべき例と言えます。また患者や家族の意思が食い違う場合にどのように調整するのか、高度先進医療をどこまで行うのか、など倫理的な問題の考慮も総合内科医として大切にしたい視点です。
 総合内科医はどのような分野の疾患でも初療に当たり、病歴と身体所見から適切な検査を選択し、必要に応じて適切な専門科にコンサルテーションを行い、診断、治療へとつなげて行きます。この過程はすべての臨床医にとって重要ですが、特に総合内科医が熟達すべき技術です。診療のすべてを自分の科の範囲内で完結させるのではなく、必要に応じて専門各科と連携・協力を大切にし、患者にとってベストな診療を目指します。一般内科の技術を核にして、言うなればオーケストラの指揮者の役割を総合内科医は果たします。各臓器別専門科の間、あるいは医療者と患者の間で意見の相違がある場合にも利用可能なエビデンスや病態生理、また患者の考え方などから、意見の調整、最終的な決定を行います。当総合内科の研修はこのような力を養うのに適しています。また、当科では後述のように感染症診療にも力を入れており、感染症に強い総合内科医を育成しています。
 今年度から家庭医療コースが新たに開始となり、従来当総合内科で行ってきた病院総合医の育成のみならず、家庭医療医の育成にも力を入れていくこととなりました(東海大学家庭医療育成後期研修コース)。内科の知識、技術に加えて、小児科、皮膚科、救急、精神科、整形外科などの研修や亀田ファミリークリニック館山(岡田唯男先生)やその関連施設での研修などを組み込んで幅広い疾患、状況に対応可能な家庭医療医育成を目指しています。
 臨床感染症についてはこれまで日本全体で専門家が少なく、教育があまり行われて来なかった分野ですが、耐性菌やHIV、新興再興感染症の問題なども含め、複雑かつ大きい分野になっています。当科では一般感染症についての院内コンサルテーション、研修医、スタッフ教育だけでなく、近隣の病院からのコンサルテーションにも対応しています。診断、治療困難例についての相談数は年間数百件に及びます。HIVについてはエイズ診療拠点病院となっており、神奈川西部の診療の中心で、患者数は増加の一途をたどっています。希望者にはこれらの分野の研修の機会を提供したいと思います。
 内科集中治療チームはショック、呼吸不全、多臓器不全、重症電解質異常などの診療では院内発症例にも、院外からの転院搬送例にも対応しています。院内発症の術後急性呼吸促迫症候群や敗血症性ショック症例などに各科からの要請に応じて全体的なマネージメントから人工呼吸器管理、循環管理、輸液電解質管理、抗菌薬についてのアドバイスなど、きめ細かく対応しています。院外からの救急搬送にも同様に積極的に責任をもって対応しています。重症患者のマネージメントはエビデンスや病態生理などを根拠に基本を積み重ねることで、救命につなげることのできる分野です。やる気のある若手医師にとっては、一所懸命に努力して患者を救い、自分も向上するためのトレーニングの場としてまたと無い機会となるでしょう。
 また、院内の栄養サポートチーム、人工呼吸器チーム、院内急変原因対策委員会などにも当科は参加しており、院内の治療の標準化、診療レベルの向上を目指しています。
 当科では女性医師の結婚、出産、育児にもフレキシブルに対応しています。時短勤務、育児休暇制度も実際に動いており、医局内で助けあいながら頑張っています。
 以上のように大学病院の院内で横断的役割を果たしている総合内科で、内科全般の知識や技術、倫理、そして何よりも患者に対する献身、勉強し続ける熱意を若い方々と共に学んで進んで行きたいと思います。

東海大学医学部内科学系
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